「この写真って、著作権あるんですか?」
著作権実務では、写真の著作物性が問題になる場面が非常に多くあります。
結論から言うと、
👉 写真が著作物に該当するかどうかは「創作性」があるかで決まります。
では、その「創作性」とは何なのか。
裁判例・実務の考え方を踏まえて解説します。
1. 写真は自動的に著作物になるわけではない
著作権法上、写真は「写真の著作物」として例示されています(著作権法10条1項8号)。
しかし、すべての写真が著作物になるわけではありません。
ポイントは次の一点です。
思想または感情を創作的に表現したものかどうか
これがなければ、写真でも著作物性は否定されます。
2. 写真の著作物性を左右する「創作性」とは?
実務上、裁判所は次のような要素を総合的に見ています。
写真における主な判断要素
- 被写体の選択
- 構図・アングル
- シャッターチャンスの選択
- 光の取り入れ方・露出
- ピント・背景処理
- 撮影者の意図や個性の表れ
👉 これらに撮影者の判断・工夫が介在しているかが重要です。
3. 著作物性が肯定されやすい写真の例
例えば、次のような写真は、著作物性が認められやすい傾向にあります。
- ポートレート写真(表情・構図・ライティングに工夫)
- 風景写真(撮影時間・天候・構図を選択)
- 商品写真でも、独自の演出・世界観があるもの
- 報道写真であっても、決定的瞬間を狙ったもの
📌 「誰が撮っても同じにならない」
これが一つの判断基準です。
4. 著作物性が否定されやすい写真の例
一方、次のような写真は注意が必要です。
- 証明写真・記録写真
- マニュアル通りに撮影した商品写真
- 機械的・自動的に撮影された写真(防犯カメラ等)
- 被写体・構図の選択の余地がほぼない写真
👉 創作性が極めて乏しい場合、著作物性は否定される可能性があります。
5. 実務でよくある誤解
誤解①:プロが撮った=著作物
→ ❌ 職業は関係ありません
アマチュアでも創作性があれば著作物になります。
誤解②:お金を払った=自由に使える
→ ❌ 著作権の帰属・利用範囲は別問題
利用許諾や契約が重要です。
誤解③:SNSにある写真=フリー素材
→ ❌ 原則、無断利用は不可
6. まとめ(実務的ポイント)
最後に、実務で押さえるべきポイントを整理します。
- 写真の著作物性は創作性の有無で決まる
- 創作性は「選択・工夫・個性」が基準
- 機械的・記録的な写真は要注意
- 著作物性があるかどうかはケースバイケース
写真を「使う側」も「撮る側」も、
安易に判断せず、法的視点での確認が重要です。



人気記事